知的資産経営

従来、企業価値は主に決算書での評価によるものでした。
いわば「過去の数字」が会社の評価を左右しているのです。
そのため、企業が保有する優れた人材や技術などの将来性―「知的資産」を評価されないまま、多くの中小企業はその力を発揮できずに、人材確保や資金調達などで苦慮してきました。 国は、企業の持つ知的資産を、その企業の「経営源泉」と位置づけ、金融機関をはじめとするステークホルダーへ開示することで企業の本当の価値を評価しようと知的資産経営を推進しています。

知的資産とは

企業の競争力の源泉である人材、技術、技能、知的財産(特許、ブランド等)、組織力、顧客とのネットワークなど財務諸表に表れてこない資産を総称して知的資産といいます。

知的資産は企業の潜在的能力、将来の可能性の原動力であるため、過去の成績表である財務諸表には表れてきません。

財務諸表に表れてこないため、「見えにくい資産」とも呼ばれます。
見えにくい資産であるため、金融機関や取引先企業など会社の外部はもちろん、会社の内部からも気づかれていないことが多い資産です。

なお、特許権などの知的財産権は、知的資産の一部です。

知的資産と老舗企業

日本には創業100年以上の老舗企業が約26,000社もあります。

意外なことに老舗といわれる企業の規模は「従業員が10人未満」が6割以上を占めています。

そして、老舗企業が考える自社の強みの多くは、財務諸表には表れてこない、「見えにくい資産=知的資産」です。

知的資産経営とは

企業の強みである知的資産が、それぞれどのようにつながり、売り上げに結びついているのか、関係性を明らかにします。
そこで得られた関係性をもとに、会社の強みと弱みを明らかにします。

強みはさらに伸ばし、弱みは克服する課題として捉え、事業計画を立て、実践していきます。
定期的に繰り返す(PDCA)することで、会社の知的資産を活かした経営を行っていくのです。

会社の強み弱みとその関係性を報告書という見える形にしたものを「知的資産経営報告書」と呼びます。

強みの関係性、ストーリー性を見える化していく点で、会社案内パンフレット等とは大きく異なります。
強み・弱みを外部の専門家目線で数値化に近づけ、客観的な評価を行う点で、経営指針書とも異なります。

知的資産経営の活用

特に事業承継、人材育成、新商品開発等さまざまな分野に知的資産経営の手法は有効です。
 ・事業承継…物的資産のみならず、本当の会社の強みを後継者に引きつぐことができる
 ・人材育成…従業員満足度の向上、社内業務の円滑化など
 ・新商品開発…強みを活かした新商品開発、販路開拓

公表されている知的資産経営報告書を見ることができます。
  ⇒知的資産経営ポータル(経済産業省)